自閉症児育児_保育所年長最後のお遊戯会、棒立ちからの成長で1曲丸々完走できたよ・・・

3歳半で自閉症スペクトラムと診断された息子の育児ブログです。

先日行われた保育所のお遊戯会。
年長クラス最後のお遊戯会ということで、忘れないうちに記事に残していこうと思います。

毎回そうなのですが、運動会とお遊戯会は、苦手中の苦手。
イベント自体もそうだし、もうその雰囲気全てですよね。
特にお遊戯会については、もうずっと踊らないという棒立ちを極めてきているので、親にとっても毎回つらいのです。

でも今回は・・・成長が見られました!!!

保育所年長クラス最後のお遊戯会当日までのこと

今年度のお遊戯会も、前年同様、クラス毎入れ替え制での開催でした。
保護者は2名までOK。

コロナ渦でのこの条件だけは、人数が最小限でもあるので、息子にとっては良い環境だなといつも感じます。

まずは練習中の様子から

練習は運動会終了後、休む間もなくすぐに始まりました。

今年度の運動会は、一つの演目(パラバルーン)で息子が笑顔で参加して完璧に出来ていたので(想定外でしたが)

何かお遊戯会のヒントになればいいな、と思っていましたし、少し良い兆しが見えたような気がしました。
担任も同意見でして、運動会後「楽しく参加出来るようなこと、ちょっと考えてみますね」とおっしゃっていました。

運動会については「 自閉症児育児_保育所年長クラス、最後の運動会~練習から本番までの一部始終~ 」の記事に書いています。

 

運動会の少し後に、親子遠足というのがあったのですが、そこで「歌」「踊り」の披露があったのです。

そこはやっぱり安定の「歌わない」「踊らない」棒立ちの息子だったんです。
やっぱりそこはダメかぁ・・・と一気に現実に戻されるわけです。

過度な期待はしない。出来るだけ楽しく参加出来ればそれでいい。そんなことをいつも思います。

担任からは

この導入期が大切だと思い、劇はDVDを見ながら動いたり、ダンスはこれをもってこういう風に動くよ!
場所はどこがいいかな?と一つ一つ丁寧にやっています。
今のところ楽しんでやっている様子が見られます。

 

ということを伝えられていました。

初期の頃のお話です。

この初期の頃の同時期に、面談がありました。
その中で今回の発表会の演目についても詳しく伺いました。

かなり特徴的なことが含まれるため、詳しい内容は書けないのですが、今回の最初の感触はどれも良さげな感じでした。

年長クラスともなると、遊戯・劇・歌に出演となるようで大忙しです。

 

<遊戯>
まず場所なのですが「どこがいいかな?」と息子に聞くと「真ん中!」と答えたそうです。
先生もビックリしたそうですが、まさかの真ん中(笑)

いや、いいんだけど、これ全く踊らないとなると確実に目立つじゃん!と、それはそれは動揺しました。

息子は、目立ちたいとかそういうのではなくて、多分真ん中に慣れているからかな?と思いました。
写真撮影等では、小さいのでいつも真ん中にされているのをよく見ているので。

「どうして真ん中が良かったの?」と息子に聞いたのですが、まさかの「そんなことは言ってないよ」でした。

短期記憶の弱さ・・・たまにそういう肝心なこと忘れるんですよね。
特に真ん中にこだわりがあるわけではなさそうでした。

 

そして今回は、とあるアイテムが用意されました。
このアイテムがよい効果をもたらしました!

面談時、実物を見せてもらい、家で同じものを製作してみました。

息子は、練習の時点で遊戯曲の話だったり、このアイテムの話だったり、よく話してくれたのでアイテムを作って大正解でした。

テンションが上がって、モチベーションアップにもなり、曲もアイテムもすっかりお気に入りになりました。

家で曲を流したり、アイテムを持って少し踊ってみたり、そんなことをしたのは今回が初めてでした。

家では突然、振りの一部を見せてくれました!驚きでした。

ただその振りは他の子がやる振りでしたが、とにかく楽しそうにやっていました。
「おうちでれんしゅうしているんだー!」と練習するとき先生に教えていたんだそうです。

練習もはりきって参加していたようです。

”踊らない” がデフォルトの息子のことは、保育所中に知れ渡っていますので、息子が踊っていることについて
他クラスの数名の先生が「〇〇くんが踊ってる!」と感動したり目うるうるさせたりしていたそうです。

 

<劇・歌>
「あの役がやりたかった」というのは最初ありましたが、女の子がやる役と決められていたようです。

「女の子と一緒でもいいならいいけど、やってみる?」と先生が聞くと、そこはイヤだったようで、男の子と一緒の役になりました。
こういうところも、成長なのかなぁと思いました。

こちらもゆっくり動きを覚えていったようです。

みんなで歌う歌については、曲は大好きなようでした。

こちらも毎日家で流すという日々が続きました。鼻歌歌ったりもしていました。
歌は好きなんですよね。

ただ当日歌うか、というのは別な話ですけど。

予行練習(DVD撮影)

「遊戯はOKでした!!劇は役の動きはしますが、ダンス部分はしない・・・と、やることとやらないことがはっきりしています」

と、ちょっとチクリと報告がありましたが、いやいや上出来じゃないですか!!!と思いました。

後日届いたDVD撮影を見ますと、本番当日とそう違いはありませんでした。

お遊戯会参観当日

発表会前日「明日の発表会楽しみだな~」とトイレでつぶやいていたようです。
本心かどうかは、このときは半信半疑でした。

やっぱり当日を見るまでは、今までのこともあるので、多少不安はありました。

 

いざ本番です!

<遊戯>
幕が上がると、ステージ脇から登場するみんな。
今年はもう最初から違いました。

凛としているというか、「やるぞ!」という気合いのようなものが感じられました。
歩いてきて自分の位置についた時、私の姿を発見した息子、ニコッと笑顔。ちょっと照れくさそうに笑う。

出来るかな、大丈夫かな・・・少し心配しながら見守るも、結果丸々1曲完璧に踊り終えることが出来ました。

こんなことは初めてで、嬉しいのもあるのですが、驚きの方が大きかったです。

今回、本当に好きな曲であったし、アイテムも良かったし、心から楽しんでやっているというのが感じられて良かったです。

曲、衣装、振り、全ての「好き」が重なって、奇跡が起こったような気がします。

あとは「アイテム」 今後のキーワードはこれからもしれません。

 

<劇>
今回は家でも自分のやる役とか、他の子がやる役とか、教えてくれていたので少しイメージは出来ていました。

登場してくる動きは、出来ていました。
しかし、それ以外の踊りがあるような部分は、安定の棒立ちでした(笑)すごいギャップ!

お遊戯会が過ぎた後、一部の踊りをDVDを観ながら、ニコニコしてやっていました。

真似して踊ること、体を動かすことが苦手な息子。
息子は自分の中で完璧な状態にならないと踊らないのかな・・・?

踊らない理由には、こんなことも関係しているのかな?と思ったりもしました。

 

あと少し気になった部分。

自分の名前を紹介された時、みんなと一緒に「礼」は上手に出来ていました。
他の子が紹介されている時は、その時はみんな「拍手」をするのですが、ここは全くやらず。

これって、言われないとやらない事なのかもしれないなーって。
他の子を見て、拍手しないといけないところなんだ、と定型の子だったら思うんでしょうね、きっと。

そうやって合わせること、息子には難しいんだと思います。まずそこが見えていない?

無理強いをしないということで、先生も何も言ってなかったのかな?と思いますが、
いやいやほんとに、息子だけ拍手していないので、ちょっとそこは練習中から現場がどうであったのか知りたかったです。

こういう小さなことも、ひとつひとつ丁寧に教えていくしかないんですよね。

納得しないことはやらないかもなので、まず何で拍手をしないといけないか、の説明からってことですよね~。

 

<歌>
家ではわざわざ同じ曲をレンタルして、家のパソコンで流して車で流して。
とっても気に入って毎日口ずさんでいました。曲の動画も観ていました。

でも。

本番のステージで、みんなの前で一緒に歌うということは別なようでして。
一切「歌わない」を貫いていました。歌うのは好きなはずなんですけどね。

ただよく見ると息子。

足でリズム取ってました!
歌うのはしなかったけど、楽しく参加していたのかもしれません(ということにしておきます)

 

歌のあと、最後に「おわりのことば」も全員で言うのですが、そこも全くしていませんでした。

確か、運動会の「はじめのことば」 はペアの子と一緒に言えてたので・・・
もしかして、自分がやらなくてもいいとか思っちゃってる??

あ、違う。
”ここはみんなで言わなくてはいけないところ” というのを理解出来ていない?

何か、自分だけの「役割」みたいなのがあると強いのかなー?自分だけのパートとか台詞とか?
そんなことも思いました。

お遊戯会を終えてから

予行練習のDVD撮影と、本番当日の動画撮影。

どちらもやっていることは一緒ですが、今回は本番当日のほうがリラックスしてより楽しんでいるように見えました。
これは意外でした。

会場の雰囲気が少し大丈夫になったのも、経験して成長したということなのでしょうか。

私が当日息子に「グー」ポーズを送ったり、息子が私を見つけて笑顔で返してくれたり、
当日の動画撮影のほうが、素敵な表情の息子がたくさん見られます。

「本番楽しみにしていてね」と言っていて、相当自信があるようにも見えました。
本当に(丸々踊った1曲については)そんな感じで、とっても嬉しい気持ちになりました。

 

今年も無事にお遊戯会は終わりました。
でも息子の中ではまだ続いているようです。

今さらながら、他の遊戯の踊りを真似したり、劇の台詞や歌を歌ったりしています。
本当は真似出来るのか、どこまで出来るものなのかは、やっぱり今年もよく分からずです。

劇については、ちょっと笑ってしまうこと。
特性上、全ての台詞を完コピして覚えてしまっています。

そこの能力はすごいんだよなー。
本番ステージで発揮されることはないだろうけど、いま、実に楽しそうにDVDを観ながら振り返っています(笑)

 

お遊戯会が終わって3週間ほど。

寝る前にDVDを観るのが習慣化されています。必ず観たいと言うのです。
これは前年度にはなかったことなので、よっぽど良い思い出になったのかと思います。

 

それと別な話になりますが、保護者側でのお話です。

Twitterでも投稿したのですが、今回息子が丸々1曲踊れていたことについて、他保護者さんも驚いたようでして。

感動したとか、本当に自分のことのように喜んでくれた姿に、こうして応援してくれてた人もいるんだなぁって素直に嬉しくて泣けてきましたね。

 

クラスのお友達も優しく穏やかな子が多いと聞いています。

息子がこの先、こういうあったかい人達に囲まれて過ごしていけるといいなと、心から願っています。

さいごに思うこと

今年のお遊戯会を振り返って。

1曲丸々踊れたなんて、奇跡すぎるので、もうとにかく素晴らしいです。
「他は踊れていない」なんてチクリと言う担任はほっといて、最後まで頑張った息子を褒めたいです。

参加しているだけで花丸じゃないですか!
そこに今年は、「1曲丸々踊れた」という実績、経験値が上がった。もう充分でしょう。

来年度は来年度で、今度は小学校の学習発表会というもの?
これまたどうなるか未知数ですが、その時できることを、息子なりにしていければOKと思います。

 

今年は奇跡が起きましたが、
それでもきっぱり言います。

私は運動会、お遊戯会、不要と常に思っています(笑)

でも、いつも、参加するには少しでも楽しんでほしい。
そんな気持ちで、これからも見守っていこうと思います。

おわり。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です