自閉症児育児‗保育士加配相談会(判定会)の内容、加配はつかないという結果
3歳半で自閉症スペクトラムと診断された息子の育児ブログです。
今年度4月から転園した保育所から加配要請をされ、「保育士加配相談会」というものに行ってきました。
判定を受け、残念ながら加配はつかないことになったのですが、相談会当日の様子と関連する出来事を書いていきます。
目次
保育士加配相談会の内容
保育士加配相談会(判定会ともいう)までの流れと相談会当日の内容、息子の様子について書いていきます。
相談会当日までのこと
相談会を行う前に、まず役所での事前面談がありました。
事前面談の様子は下記リンクの記事に詳しく書いてあります。
⇒ 自閉症息子の保育士加配にかかる相談会(判定会)の事前面談
相談会当日の事前連絡ということで、前日に確認の電話がありました。
時間の確認と持ち物(母子手帳、コロナでおもちゃが使えないので40分ほど遊べるおもちゃを持ってくる)について言われました。
封書でも届いて把握はしていたのですが。。
確認の電話はいいのですが、役所の福祉担当と加配を専門で担当しているケースワーカーの方の両方から電話があって、しかも同じ内容・・・
これ何とかならない?連携取って~となりました。
相談会当日の内容
専門の医師が1日で何件か面談するようです。
私達含めてこの日は、5件スケジューリングされていました。
<同席者>
医師、ケースワーカー、福祉担当者、担当保育士、保護者(父母)、息子
指定された部屋に入りました。
保護者は父か母どちらかでもいいようでしたが、うちは両方で行きました。
約45分ほどの面談でした。
保育所からは園長先生が来るという話でしたが、担任の保育士が来てビックリしました。
息子には園長先生が来ると言っていたので、息子もビックリでした。
指定された席につき、まず福祉担当者から事前面談時の調査資料の読み上げから始まりました。
息子のこと、書ける範囲で書いてみます。
・H29年4月から通っていた保育園で加配必要性を指摘され、加配のある保育所へ今年4月に転園 ・出生体重、発達具合(首すわり5か月、ひとり座り8ヵ月、ハイハイ10か月、ひとり歩き1歳半) ・成長障害、左水腎症にて治療通院中 ・療育施設に通所中 ・令和2年2月初診で「広汎性発達障害」と診断され、療育手帳非該当、特児審査中 ・言語理解は2~3語文やりとり可能であるが、覚えた言葉、決まったフレーズを話すのが半分で会話が成り立たない ・昨日今日明日の時間の理解が難しい ・保育所の様子 ・家での様子 ・加配の理由 ・事前面談時の様子 |
以上が福祉担当者からの報告でした。
続いて専門医師からの話です。
(以下、医師を先生と書きます)
福祉担当者からの報告を聞いて、まず先生の第一声。
「診断通りの特性が出ていますね」
とクスッと苦笑されました。
そして
「加配をつけようとしているのは誰の希望?」
と聞かれて、私が「保護者と保育所両方です」と答えると渋い顔をする先生。
話を聞いた段階で既に息子のことを把握した様子で、家での問題が多いという印象を受けたようでした。
<問題①:お風呂に入る前の切り替えが苦手>
「帰ってきてから寝る前までの行動の見通しを立ててあげるなど、家での行動を工夫してみるといい」
と先生に言われて、隣にいた夫が
「それは奥さんがボードを作って絵カードを使いやっています」
とすかさずフォローしてくれました。
「最初母と入ると言っていたのに、動画を観たいからと父と入ると言ったり、タイムタイマーで時間を決めてアラーム鳴ったら終わりというように決めても、自分でタイムタイマーをいじって時間を変えてしまったりしてしまいます・・・」
と私が伝えました。
それに対して先生は、遊んでいる息子の様子を見ながら・・・
「この子は実はもうひらがな読めているよ。絵カードの下に字を書く。字が読めるから言葉で伝えても理解する」
「この子はタイムタイマーよりカウントの方がいい」
とアドバイスして下さいました。
きっぱり言われて・・・
先生もいろんなタイプのお子さんをみてきたでしょうからお見通しなのでしょうね。
”カウント” については、半信半疑で実践してみましたが、確かにタイムタイマーの時よりは行動がスムーズになりました!
<問題②:夜なかなか寝ない>
・22時30分に寝て朝は6時に起きる(起こさないと起きない)
・1年ほど前からようやく一度寝れば朝まで寝てくれるようになった
・布団に入るまでのルーティンがあり、布団に入ってからも絵本を読むなどのルーティンがある
というのをまず伝えました。
「確かに寝るのは遅いね。でももっと遅い子もいるからねぇ・・・」と先生。
ここで先生が保育士さんに「午睡はしているの?」と質問し「出来てます」と保育士さんが答えると
「そうだよね~。こういう子は周りの子を見て出来ちゃうんだよ」と先生のぼやきが。
息子、最初の頃はお昼寝するのが嫌だと登園渋りをして泣いていました。
本当は嫌だけど、周りに合わせて出来てしまう・・・。
いつの日かお昼寝が嫌だという話もしなくなりましたが、当たり前のように出来て習慣づいてしまったのですね。
「習慣を変えていくのはとっても大変。だけど、まずは22時30分→22時15分に、次は22時というように少しずつ変えていくといい」
というアドバイスをいただきました。
息子の場合、お昼寝するしない関係なしに、とにかく遊びたいから寝たくないというのがありますからね。
先生のおっしゃる通り、少しずつでも変えていけるといいです。
根気よく・・・ね。
<問題③:家では自分でご飯を食べない>
「偏食は特性だけど、介助待ちは習慣性の問題で食べられるはず」
これまた保育所では自分で食べられているということで・・・
昼寝と同じで保育所にはモデルがいっぱいいて出来てしまうのが問題だと、先生は重ねておっしゃっていました。
家で行うこととして、
・同年代で一人で食べている子の動画の ”モデル” を見せてみるのがいい
・最初、途中、最後のどれかで1回だけ食べるとかの声かけをする
というアドバイスをいただきました。
<全体的に言えること>
◆ひとつひとつの活動を条件づけする
◆条件は肯定的交換条件にする
「〇」→ 「これ食べたらおやつ食べよう」
「✕」 → 「ご飯食べないとおやつあげないよ」
<保育所クラスの現状>
担任の保育士さんから先生に、現状の説明と息子の保育所での様子を伝えました。
・年少クラス21人を保育士1人+フリーの保育士で担当、ギリギリの状態で保育している
・息子の様子、「水が出ない」など言いたいことを言いに来てくれる
・避難訓練・身体測定・プールなどイベントごとは配慮が必要に感じる
・息子、目立った行動もなく出て行ったりもない
保育所では出来てること多いですもんねぇ・・・
⇒ 自閉症児育児‗新しい保育所(年少クラス)で出来ていることのまとめ
<その他相談したこと>
夫が「担任の保育士のあとをずっとついて歩いているのはいいのですか?」と質問しました。
先生は「密着があって離れていく。少しずつ距離を置き嫌なことも聞ける関係にするといい」とおっしゃっていました。
さらに「来年度は担任が変わるので引き継ぎの点は考えた方がいい」とおっしゃっていました。
せっかくなので他害などについても聞こうかと思いましたが、長くなりそうで次の方がせまっていたのであきらめました。
相談会時の息子の様子
今回の相談会では息子と一緒に遊んでくれる方はいなくて、息子は一人で遊んでいてね~と言われました。
よくよく考えればかわいそうな状態だったんだなと・・・
今までそんなことなかったので、後で申し訳ないことしたなと思ったほどでした。
息子はこういう場面ではお利口さんなので、また今回もお利口さんで一人で遊んでいました。
話しかけてはいけない、一人で遊ばないといけないというのを瞬時に察知出来るんだよなぁ・・・状況理解がすごい。
45分という長い時間、落ち着いて遊んでいたように思っていました。
本当は遊んでもらいたい、声かけたいという気持ちを必死に我慢していたのだと思います・・・。
振り返ってみると、最初は寝転がり一人で遊んでいたように思いますが、後半は壁にもたれかかり、じっくり話を聞いている感じで難しい顔をしていました。
本当に話を聞いていたのかもしれません。。
そしてこの日から2~3日、息子が不安定になり家で荒れました。
とてつもない不安感があったのかもしれません。
もうこれっきりで、こういう状態になるのは出来れば避けようと思いました。
保育士加配相談会の結果→加配はつかないことに
先生から相談会当日に判定について言及されました。
・今の状況だと加配をつけるほどでもない、ただしこまめに見てあげる
・発達能力が高く保育所で出来ているのでなおさら加配がつけにくい、家と保育所逆だったらいいけど・・・
・息子に加配をつけてしまうと、みんなつけていいことになってしまうし、非難の的になってしまう・・・
というようなことを既に相談会当日に言われていたので、加配は難しいんじゃないかなと予測がついていました。
その後、正式な判定結果は10日後くらいに福祉担当者から電話で連絡が来ました。
予想通り、今年度については息子に加配はつかないことになりました。
保育士加配判定の結果、息子に加配はつかない事になりました。医師の診断では介護度は中度でしたが保育所では出来てる子という事で。家庭の問題多めでの中度なのでしょう。中度でも役所の点数計算で判定ならずとも言われて…こうやってこの先も息子は狭間で生きてくのかなと思うと酷だなと思いました。
— だんももむし|自閉症児育児ブログ書いてます (@danmomomushi) August 28, 2020
Twitterでも書きましたが、息子は介護度は中度ですが保育所では出来ている子という判断でした。
先生は甘めに判断してくれたようですが、最終的に決定するのは役所のようで・・・何だかその仕組みもイマイチ謎でした。
福祉担当者は今年度から担当が変わりまして新人っぽい方。
以前の方が担当していたら少し変わっていたのかな?
とか思うと、やっぱり私は昔から担当者運がないな~と嘆きました。
まぁ結果は結果なので仕方ないですね。
判定結果を受けての今後の方針
加配はつかないということが決まり、少なくとも今年度は別に加配がつく子が増えない限り、特に変化ないのかなと思います。
相談会の中では、現在通っている療育施設の話もありました。
個別療育と集団療育に通っていて、療育の日は保育所を休みにしているという話をすると、先生が不思議そうな顔をしていました。
「療育の後に保育所に通う。送迎出来るのであれば考えたほうがいい」
という思いもよらなかったことを言われたのです。
”中抜け” というらしいです。
初めて聞く言葉でした。
可能であれば前向きに考えていきたいと思いました。
とはいえ、療育施設での現状が全く分からなかったので、早速その日に療育施設に電話で確認してみることにしました。
療育施設への相談と決まったこと
療育施設へは相談会で話したこと、言われたこと全てを伝えました。
会話の中で先生に
「そもそも療育の必要性はあるの?」
と、保育所でよく出来ている現状を見て言われたことも話しました。
確かにそれを言われてしまうと言葉に詰まってしまう部分もありますが・・・
私個人としては、療育も同じくらい大切に感じています。
息子にとって、保育所とは違う少人数の関わりも重要で、絶対に必要だと思います。
保育所や療育では見えない家での息子もサポートしていただけているので、療育がなくなってしまうのは困ります。
そんな話も指導員さんへ伝えると、指導員さんも同意見でした。
そして息子が来なくなってしまうのはとても寂しいとおっしゃっていました。
療育へ通うのは変えない方向で、保育所を少し増やしてやっていくということで、個別療育の日は個別療育終わってから保育所に行く。
というのをやってみましょう!ということになりました。
心配していた送迎ですが、個別療育の日は療育施設→保育所の送りのみ対応して下さるようです。
実際に既に利用している子もいて実績があるとのことで、話が早かったです。
というわけで、トントン拍子にスケジュールが決定しました。
息子にも話をして了承をもらったので、あとは何日か経験を積んで、落ち着いて過ごしてくれるようになるといいです。
さいごに思うこと
今回加配がつかなかったことは残念でした。
私達からの強い希望ではなかったにせよ、ついたらついたで息子がより安心して保育所に通えると思いましたし(特に苦手なイベント毎とかは加配していただきたいですし・・・)
何よりもギリギリの状態で運営している保育所が少しでも楽になれればいいなと思っていたので・・・
本当に残念です。
今回の結果、療育施設へも報告すると、
「加配がつかないということは成長したという証ですね!」と言われて。
そっか!そうとらえればいいんだ!
と思えるようになりました。
まさにその通りですもんね。
保育所でいつも頑張っている息子。
その分、家では甘えん坊さん。
私はそれでいいんじゃないかなと最近思います。
でも、介助待ち過ぎるのはやはり問題だと思うので、家でも少しは自分で食事とか、着替えとか、歯磨きとか、片づけとか・・・
え、結構いっぱいあるなぁ(笑)
ゆっくり頑張っていきましょう!!
長くなってしまいました。
最後までお読みいただきありがとうございました。